イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
「は。わざわざ手助けなんてして、もしかして暁兄こいつのこと狙ってんの?」
「ないよ。俺は年上好きだし。そんな不安に思わなくても大丈夫だよー晴友くん」
余裕たっぷりの暁さんの切り返しに、晴友くんはますます眉間にしわをよせた。
「…なら、せいぜいがんばれよ。テレビの前でもドジやらないでちゃんとやれたら認めてやるよ。もうすこしやさしくしてやる」
言い捨てるように一気に言うと、晴友くんは休憩室を出て行ってしまった。
暁さんは大きくため息をついた。
「まったく、あそこまで強情だとは思わなかったな。誰に似たんだか…ってごめんな、日菜ちゃん。余計なことしてしまったな」
「いいんです。
晴友くんの言う通りだと思うし…」
心の底から申し訳なさそうに謝ってくれたけれど、暁さんが悪いことなんて全然ない。
わたしは涙をこらえながら、暁さんに笑顔を向けた。