君がいると、いないとで。
一部





穏やかじゃない日差しが差し込んで、部屋の空気がモンモンとしている。


琥珀(こはく)がベットを踏み台に窓を勢いよく開けると、外の大きな桜の木の花びらが風とともに舞い込んできた。




「あっつー…」



窓から流れる風さえも暑いなんて、夏になったらどうなるんだか。

制服のブラウスに汗が染み込むのが何とも不快だ。


これなら面倒臭がらずに適当に着替えてこればよかった。



「お前見てると余計暑くなる。つかパンツ見えてんぞ」


「あーもー何でそれ早く言わないの変態!ていうか早くどきなさいよ」



課題テスト勉強会、と題して勝手に琥珀の家に押しかけた私はベットの上で寝そべりながらスマホをいじっていた。


さすがに暑くて勉強なんてする気が起きないんだもんね。



「ゴリラのパンツ見てどこが変態だ」


「暑いから近づくなっつーの!」


「ぶっ」



私にまたがってナメてかかったお返しだ。

久々のグーパンチはやっぱり清々しい。


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