君がいると、いないとで。
「察しないお前がバカだろ」
「ほらやっぱわざと黙ってたんじゃん!」
「いや皆んな普通に知ってるから」
シャーペンをくるくる回しながら飽きれた顔をする琥珀。
そりゃ琥珀からしたら私のペナルティーなんてむしろ最高って感じかもしれないけどさ。
だって、教師だけじゃなく琥珀自体も私をこき使えるんだよ?そりゃさぞかし嬉しいでしょうね。
だけどさあ!!
「お前ってやつは……」
「んなこと言ってんならさっさと勉強しろ」
そう言ってから琥珀は何か思いついたように、口角を上げた。
その瞬間ゾゾゾゾッと鳥肌が立つ。
「…また奴隷になってくれるのか」
……………。
いや、あの
「ぶっ」
「なってやるかこのウザ男!!」
すっげーーーむかつく!
なんだよ今井君に勝てないくせに!
今年こそ奴隷になんかなるもんか!!
部屋に散っていた桜の花びらと共に琥珀が宙に舞ったのは言うまでもない。