夏の終わりの失恋歌(恋愛中毒1)
当初の目的の喫茶店にモーニング終了ぎりぎりの時間に入り込んで、二人で朝食をとった。
平日、午前11時前の海辺の喫茶店には客はほとんどいない。
店内に流れるジャズがゆったりとした時間を演出していた。
二人とも、これといった会話を交わさない。
彩華は熱いコーヒーを飲みながら、いい加減眠たいなと、重くなった瞼をこすった。
「お水、いかがですか?」
と、言いに来た若いウェイトレスが、何かを発見したかのように息を飲み、伸彦を凝視する。
「……先輩、ですよね?」
何先輩といったのか彩華の耳には入ってこなかったが、伸彦は緩やかに頷いた。
この子、テンション高いなーと、彩華は思う。
「帰ってこられたんですか?」
「いや、通りすがり。
でも、ここはいいよね」
「はい☆
また、いつでも寄って下さいね♪」
まさか、大学の後輩ってことはないだろうから、伸彦はこちらの方の出身だったのだろうかと見当をつけた。
ウェイトレスは、彩華の存在なんて見えないかのように、うっとりと伸彦を見つめている。
地元でも有名人なのかー
なんてことを、ぼんやりと考える。
「ついでに、ここで支払ってもいい?」
「もちろんです◇」
うっかりしていたら、レジに行く前に、伸彦は二人分の精算を済ませてしまっていた。
平日、午前11時前の海辺の喫茶店には客はほとんどいない。
店内に流れるジャズがゆったりとした時間を演出していた。
二人とも、これといった会話を交わさない。
彩華は熱いコーヒーを飲みながら、いい加減眠たいなと、重くなった瞼をこすった。
「お水、いかがですか?」
と、言いに来た若いウェイトレスが、何かを発見したかのように息を飲み、伸彦を凝視する。
「……先輩、ですよね?」
何先輩といったのか彩華の耳には入ってこなかったが、伸彦は緩やかに頷いた。
この子、テンション高いなーと、彩華は思う。
「帰ってこられたんですか?」
「いや、通りすがり。
でも、ここはいいよね」
「はい☆
また、いつでも寄って下さいね♪」
まさか、大学の後輩ってことはないだろうから、伸彦はこちらの方の出身だったのだろうかと見当をつけた。
ウェイトレスは、彩華の存在なんて見えないかのように、うっとりと伸彦を見つめている。
地元でも有名人なのかー
なんてことを、ぼんやりと考える。
「ついでに、ここで支払ってもいい?」
「もちろんです◇」
うっかりしていたら、レジに行く前に、伸彦は二人分の精算を済ませてしまっていた。