夏の終わりの失恋歌(恋愛中毒1)
「沙織〜聞いて聞いて!」
海から帰り、ようやく自宅に戻った彩華は早速自宅に親友の沙織を招いていた。
沙織は、彩華の通う大学の近くにある女子大に通っている。

「テンション高いねー、どうした?」

彩華は夕べからのことをだらだらと話した。


「ていうことは、ついにあの王子は彩華のモノになるわけ?」

伸彦は女子大では密かに王子と呼ばれている。


「まさか!」

彩華は目を丸くする。

「お似合いなのに」

予想外の言葉に思わず吹き出す。

「全然」

あんな読めないやつとお似合いなわけがない。

「だいたいさあ、なんでヒコはそんなにモテるの?」
「さあ〜。私はライブでしか見たことないし」

「でも皆はなんて?」
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