夏の終わりの失恋歌(恋愛中毒1)
3.眠れぬ夜
「彩華?」
店の裏口から出てきたところで、伸彦に声を掛けられてびっくりした。
「ヒコ!
どうしたの?」
「ん?
バイトが終わって携帯見たら、エイジからお姫様を迎えにあがってくれという電話があってね。
なんで裏口から出てくるかな?すれ違わなくて良かったけど」
やや呆れ顔で伸彦が言う。
「えー?
エイジが?
なんで?」
彩華は首を傾げる。
サークルでの飲み会のたびに飲みすぎて、それを介抱しているのが伸彦だということに気付いていないのは本人だけ、という感じなのだ。おそらく。
「さぁ。それは俺も聞きたいんだけど。
崇城さんには電話がしづらかったんじゃない?」
ちなみに、崇城明は彼らのサークルのOBでもある。
だから、伸彦も崇城のことは知っていた。
ドラムの腕がなかなか優れていた、ことぐらいだが。
「ああ、そのそーじょーさんね?
……、ヒコ、ちょっとお店に行ってきてくれない?
その人、今、何してるか教えてほしいんだけど」
酒のせいでない頭痛を感じて、頭を抑えながら彩華が言った。
感情を抑えるせいで、語り口が棒読みのようになっている。
伸彦は、ここで待ってなというと、店に向かっていった。
もちろん、表口のほうに。
店の裏口から出てきたところで、伸彦に声を掛けられてびっくりした。
「ヒコ!
どうしたの?」
「ん?
バイトが終わって携帯見たら、エイジからお姫様を迎えにあがってくれという電話があってね。
なんで裏口から出てくるかな?すれ違わなくて良かったけど」
やや呆れ顔で伸彦が言う。
「えー?
エイジが?
なんで?」
彩華は首を傾げる。
サークルでの飲み会のたびに飲みすぎて、それを介抱しているのが伸彦だということに気付いていないのは本人だけ、という感じなのだ。おそらく。
「さぁ。それは俺も聞きたいんだけど。
崇城さんには電話がしづらかったんじゃない?」
ちなみに、崇城明は彼らのサークルのOBでもある。
だから、伸彦も崇城のことは知っていた。
ドラムの腕がなかなか優れていた、ことぐらいだが。
「ああ、そのそーじょーさんね?
……、ヒコ、ちょっとお店に行ってきてくれない?
その人、今、何してるか教えてほしいんだけど」
酒のせいでない頭痛を感じて、頭を抑えながら彩華が言った。
感情を抑えるせいで、語り口が棒読みのようになっている。
伸彦は、ここで待ってなというと、店に向かっていった。
もちろん、表口のほうに。