それでもボクはキミを想う
ふぁぁ…、最近、夜更かしが過ぎて眠い…
『おー、でっかい欠伸してなんや一ノ瀬、眠そうやなぁ!』
『眠そうやなくて眠いんですわ…』
『お前、ついに自分とこに帰るんやな?
来月でここから消えるんは寂しいのォ。』
『何寂しがってるフリしとるんですか?
そんな事言うて、めっちゃ喜んでますやん!!』
卒業してから五年、慎吾くんのトコの会社にお世話になり、整備士の資格もとって貯金も貯めたから、再来月からオヤジの整備工場に戻ることになっていた。
『まぁ、仕事終わった夜は、またいつも通り行きますよって、大して変わらしませんわ。』
『せやけどまた、京都に帰るんやろ?
まぁ、あかんかったらまたこっちに帰ってきたら、コキ使こうたるわ!ボケェ!』
『そら堪忍してください。
ボクは、何がなんでも二度とここには戻らしませんわ。』
なんて言うとった。