それでもボクはキミを想う
そして土曜日になり、私と響は早朝から出掛けた。
『響、先に選ばしてあげよう。
タラコと昆布どっちがいい?』
『ん~、昆布で。』
『はいこれ。
私、タラコが良かったのよ!
よかった、よかった。』
『そうだと思った。
タラコ選んだらどうしてたの?』
『大丈夫だよ!
響は姉思いの優しい子だもんね?』
『ほんと、世話の妬ける姉貴だよ!』
お店が開く前に、摩耶山頂に寄り、朝靄の中の景色を観ながら、朝ごはん用に家から持ってきたおむすびを響と二人で頬張りながら、食べた。
そして山道を下り、お目当てのショップへ向かう時、助手席から運転する響が弟ながらカッコよく見えて、(私も免許とろっかなぁ?)と思った。
『ねぇ響、車を運転してると楽しい?
いつもご機嫌よね?』
『僕は好きだよ。
ちょっと興味もった?
興味ついでに今夜、姉貴の知らない面白い世界(トコ)に連れて行ってあげようか?』
『もしかして響がいっつも走りに行ってるトコ?
行ってみたい!!』
『正解!!
まぁ、たまにヤバイ事もあるからフラフラしないで、ちゃんと言うこと聞けよ?
まだ車酔いするよね?酔い留め飲んどいて』
『うーん…響の運転なら最近大丈夫。』
『多分無理だから言う事聞いて飲んどけよ!』
響が免許を取り、家の車がだんだん凄い事になり、結局お父さんが車検の時に乗り換えた。
私はあんなオヤジ車と思っていたけど、響は凄く喜んで大事にしてる。
まぁ、そのおかげで私はよく、乗せてもらってる。
でもどうしたんだろ?
前は、響が走ってるの見たいから連れていってよとあれだけ言っても頑なに連れて行ってくれなかったのに…。
まっ、今夜見れるからいいかな?
ランチは響と中華バイキングに行き、そのおかげで私は夜もお腹が空かない。
コンビニで飲み物だけ買って行き、とりあえず酔い止め薬を飲んどいた。