それでもボクはキミを想う
『ほな、慎吾くん、ちょっとここ離れるけど、また帰ってきますわ。』
慎吾くんと話終え、ボクは響くんとの待ち合わせ場所に向かった。
待ち合わせ時間ギリギリに着いたんやけど、すでに響くんとキミが来とった。
『こんばんは、一ノ瀬さん。
すみません、この間のお礼も言いたいって姉貴付きなんです。』
申し訳なさそうにする響くんには悪いけどまんまとボクの策略にのってくれておおきに。
『わざわざええのに。』
『この間はありがとうございました。
名前も言わずにごめんなさい…
私、藤崎莉乃です。』
忘れる訳はない。
会いとぉてしかたなかったキミの名前を知った嬉しい気持ちを隠し、キミに興味示さん態度で言った。
『響くん、後ろからついて行くから、このまま下って、そのまま走るん見せてや。
ここからスタート地点まで下ったら、タイヤは温もっとるやろし、一本ならして走ってから、ニ本目に本番でええ?
ほな、莉乃ちゃんはボクの横に乗り。』
『わかりました。
では、お願いします。』
それぞれの愛車に乗ると走りにでた。
『ボクの名前は一ノ瀬仁。
改めてよろしゅう。』
ボクも名乗りお互いを知った。
『 あれから走った車に乗せてもろた?』
『ううん。乗せてもらったあの時以来よ。
今、私ね、自動車学校に通って頑張ってるんだ。』
『どこまで進んだん?』
『まだ最初の方。
こないだはカーブの練習して、今度坂道発進。』
『AT?』
『MTですよ。
私にはATでいいって言われたけど、MT頑張るの。』
『そら気張ってな!
さてと…響くんの走りが楽しみや。』
たわいもない話しとったらスタート地点に着いた。