それでもボクはキミを想う

『響お疲れさん、また明後日な。』

『お疲れ様でした。
僕は明日、お休みでいいんですよね?』

『ああ、ゆっくり休み。』

最近窶れがひどくなってる響は、ふるふるしながら久々の休みで、喜んでいた。

私は“もう帰っちゃうんだ…”と少し寂しく思っていたら、

『ほな響、莉乃ちゃん連れてくで。 』

“ 横に乗り”と、助手席のドアを開けてくれた。

『 これから練習や。』

『練習?』

『莉乃ちゃんの運転。』

『!!』

私は一ノ瀬さんの横に乗り、

『ゆっくり休みなよ、響。
パパとママ達の事よろしくね!』

と響に頼み、久々に会った一ノ瀬さんと出掛けた。

練習いう口実で、ボクは莉乃ちゃんを連れ出した。

練習付き合うんはエエけど、なんぼ莉乃ちゃんでもボクの大事なセフィーロを運転させる訳にはいかん。
幸い今日は響のと同じ車種のローレルを代車にしとるからちょうどええ機会や。

今、神戸の方で、莉乃ちゃんの教習所もある乗り慣れとる六甲アイランドに行こうかと思おたけど、会社や工場のある西側の道はドリフト練習する車もおるしちょこちょこ警察も来よるからポートアイランドに向かった。
夜になると人工島はひとけがなくなり、練習するにはちょうどええ。
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