それでもボクはキミを想う
~二人の時間(壱)~
“んー、どないしよ?”と思いながら、とりあえずボクのショップに向かった…といってもキミの住んどる神戸からボクの住んどる京都まで、高速使い、ちょっとしたドライブや。
『何処行くの?』
『ボクのショップに来たこと無かったやろ?
練習終わったさかい、とりあえず車変えよ思て。』
裏六抜けて有馬街道通り中国道の西宮インターから乗り、名阪に入り京都へ行くのがいつものルート。
オービスもそんな無いし、夜は空いとるからスピードも出せる…
ボクはアクセル全快で走り続けた。
ちょっと横見ると、もう夜中やし、慣れへん運転の疲れもあって、キミはうつらうつらしながらも眠いのを必死に我慢しとった。
『莉乃ちゃん、疲れたやろ?着いたら起こしたるから寝とってもええで。』
『大丈夫。運転してくれてるし、せっかく一緒にいるから…』
あなたと話していたのに、慣れない運転の疲れと、眠気にいつの間にか私は負けて眠りの世界へ行ってしまった。