Color of Love




「…よお。
下校時間、とっくに過ぎてるぞ。」


そこには、ずっと会いたかった人がいた。


「あ…、雪人くん……!」


見かけたらスグに伝えたかったのに、
いざ彼が目の前にいると、言おうとしていたことが全て真白になる。


「おめでと。」

「え…あ、ありがとう…」

「……じゃ、早く帰れよ。」

素っ気ない祝福を送った彼は、部室に入ることもせず、
足早に去ろうとする。


ちょ、え…っ!?

まだちゃんとお礼、言えてない…!!


「待ってよ!!!」

「!?」

ドサッ…


誰もいない3階廊下に、
私の大声と2人が倒れる音が響いた。



「い、たあ…。」

自分で押し倒しておいて後悔する。

これが本能というやつなのか。

でも押し倒してまで伝えたかったんだ。


「おまえ、なにやって…」

「すき。」

「……は……?」




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