Color of Love
9
「…よお。
下校時間、とっくに過ぎてるぞ。」
そこには、ずっと会いたかった人がいた。
「あ…、雪人くん……!」
見かけたらスグに伝えたかったのに、
いざ彼が目の前にいると、言おうとしていたことが全て真白になる。
「おめでと。」
「え…あ、ありがとう…」
「……じゃ、早く帰れよ。」
素っ気ない祝福を送った彼は、部室に入ることもせず、
足早に去ろうとする。
ちょ、え…っ!?
まだちゃんとお礼、言えてない…!!
「待ってよ!!!」
「!?」
ドサッ…
誰もいない3階廊下に、
私の大声と2人が倒れる音が響いた。
「い、たあ…。」
自分で押し倒しておいて後悔する。
これが本能というやつなのか。
でも押し倒してまで伝えたかったんだ。
「おまえ、なにやって…」
「すき。」
「……は……?」