Color of Love



HARUside




毎朝出会うアイツの笑顔が、

今日は珍しくなかった。



俺の出勤時間とアイツの登校時間はいつも一緒で、
家を出ると待っているのは


「ハルにい、おはよっ
駅まで一緒にいこ?」


お向かいの住む幼馴染、
朱莉の笑顔つき挨拶。



俺はこれを10年も前から言われてた。





「あら、おはようハルくん。」


朱莉の挨拶の代りに、朱莉のお母さんの挨拶が耳に入った。

その声でハッとした俺は、ボーっと朱莉の部屋の窓を見つめていたことに気づく。


なにやってんだ俺…。



「おはようございます。」

そう言って軽く頭を下げると、朱莉のお母さんの手にゴミ袋を提げていたのが目に入った。

ゴミ出しは朱莉の仕事。
「おーもーいー!」って言いながらゴミステーションまで運ぶ朱莉を無視して歩くのが楽しくて、
「ちょ、待ってよハルにいーーっ!」って慌てふためきながら走ってくる朱莉が可愛くて――…





いけね、まただ。



「あ、これ?昨日あの馬鹿珍しく風邪なんかひいちゃって、しばらく学校休むのよ。」

無意識に見つめていたゴミ袋に気づいたのか、溜息混じりにお母さんが答えた。



朱莉が風邪…。最後にひいたの5年も前だろ。


『しばらく』という単語で、相当酷いことがわかった。





「あ、そうだ!ハルくん、今週の土曜は休みかしら?」


「え………?」














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