Color of Love
4
HARUside
毎朝出会うアイツの笑顔が、
今日は珍しくなかった。
俺の出勤時間とアイツの登校時間はいつも一緒で、
家を出ると待っているのは
「ハルにい、おはよっ
駅まで一緒にいこ?」
お向かいの住む幼馴染、
朱莉の笑顔つき挨拶。
俺はこれを10年も前から言われてた。
「あら、おはようハルくん。」
朱莉の挨拶の代りに、朱莉のお母さんの挨拶が耳に入った。
その声でハッとした俺は、ボーっと朱莉の部屋の窓を見つめていたことに気づく。
なにやってんだ俺…。
「おはようございます。」
そう言って軽く頭を下げると、朱莉のお母さんの手にゴミ袋を提げていたのが目に入った。
ゴミ出しは朱莉の仕事。
「おーもーいー!」って言いながらゴミステーションまで運ぶ朱莉を無視して歩くのが楽しくて、
「ちょ、待ってよハルにいーーっ!」って慌てふためきながら走ってくる朱莉が可愛くて――…
いけね、まただ。
「あ、これ?昨日あの馬鹿珍しく風邪なんかひいちゃって、しばらく学校休むのよ。」
無意識に見つめていたゴミ袋に気づいたのか、溜息混じりにお母さんが答えた。
朱莉が風邪…。最後にひいたの5年も前だろ。
『しばらく』という単語で、相当酷いことがわかった。
「あ、そうだ!ハルくん、今週の土曜は休みかしら?」
「え………?」