Color of Love
6
スーパーで買ってきたミネラルウォーターを冷蔵庫に入れ、
朱莉が好きだと思われる雑誌を抱えて部屋へと向かう。
階段を一段一段上る度に比例して高鳴る心音。
恥ずかしいぞ俺…。
一度大きく深呼吸してから『Akari』と書かれたプレートの前に立つ。
――――コンコン
「朱莉?」
「ハルにい?!入って!!」
ドア越しに聞こえる愛しい声。やっぱり少し擦れてる。
ってか、そんな軽々しく「入って」って…。
他の男が来たときもそんな軽く言っているのか…?
急に生まれる嫉妬。本当に醜い。
少し悔しくなった俺はドアを半分だけ開け、顔だけを出す。
そして「風邪が移る」
とか可愛くないこと言う。
「ちょ、馬鹿は余計だよーー!!」
でもそう言いながら頬を膨らせる朱莉が可愛くて、
またからかいたくなる。
『嘘だって』そう言おうとしたときに、二言めに朱莉が
「…いいよ、入ってこなくて。」
床に視線を落とし気味に普段よりトーンの低い声で呟いた。
…なんで?
「矛盾してんだろ朱莉。嘘だって。」
苦笑いしながら部屋に入る。
朱莉といると調子狂う…。