魔女の瞳Ⅲ
第二章
今日も今日とて、クラスメイトの女子数人に連れ回される。

本日は買い物なのだそうだ。

いつも思うのだが、十代のあの無限の体力は一体どこから来るのだろう。

永遠の命も魔道の探求のテーマの一つ。

あの体力を何とか生かしてみたいものである。

外見上は彼女達と同じ十七歳の私も、実際は六百歳以上の…言ってみれば老婆である。

肉体的には若くても、精神的にはかなり枯れている部分もある訳で。

「あのノリにはついていけないわぁ…」

やっと解放された私は行き交う人々を眺めながら、通りに面したベンチに腰掛けて缶の紅茶を口にしていた。

ま、何だかんだと文句は言ってみたものの、今日も楽しかった。

こうやって普通の女子高生の日常を楽しむのも悪くないなと思いつつ。

「尾行なんて趣味悪いわね。エクソシストはストーキング技術も必須なのかしら?」

私は振り向く事なく言った。


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