魔女の瞳Ⅲ
「時に四門メグ…この御影市の…いわゆる心霊スポットという奴を知っているか?」

「…ええ」

クリスの問いかけに、私は振り向かずに頷いた。

心霊スポットというのは大抵はオカルト好きのガセネタだが、時々『本物』に遭遇できる場所が存在する。

そういうのはえてして、霊脈だったり、強い怨念の残る場所だったりする。

私は土地を転々とする度に、そういう心霊スポットは欠かさず調べていた。

その土地を縄張りとする『主』がいる可能性もあるからだ。

御影市に存在する『本物』の心霊スポットは二つ。

一つは私が通っている学校の旧校舎。

あのホムンクルスがいた場所だ。

そしてもう一つは、とある山の頂上…戦国時代にこの近辺を治めていた大名が住んでいた御影城の城跡だ。

城跡には今も武士の地縛霊が出るとか出ないとか。

まぁ地縛霊なんてその場から動けない訳だし、私は今まであまり問題視もしていなかった。

「教会側も特に危険視はしていなかったのだが…最近になって、問題が発生してな」

クリスが低い声で呟いた。



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