魔女の瞳Ⅲ

「僕を含めた異端者殲滅専門職の数十名が、御影城跡のある山周辺に、対衝撃、防音、認識阻害の広域結界を張る。その上で、お前は百禍を封印、または殲滅しろ」

「…あら、随分割に合わないわね。一番きつい仕事は私に押し付けるっていうの？」

教会側の考えはわかっている。

百禍と私。

どちらが倒れても教会側…ひいては人間側には何の被害も出ない。

あわよくば共倒れを狙っているのだろう。

「否定はしないさ…しかし」

クリスは言う。

「異端者殲滅専門職側は、お前を試している…人間の為に、魔女であるお前が戦いに赴くのか…果たして宮川修内太を命懸けで庇った四門メグの性は善なのか悪なのか…この戦いで見極めたい…それが司教のお考えなのさ」