魔女の瞳Ⅲ
第三章
帰宅した私は、真っ先に長老にクリスからの依頼の事を話す。
普段は不真面目な態度が目に付くものの、こういう時私の一番の相談相手になってくれるのは長老だ。
先代デッドゲイト家当主の使い魔も務めた梟。
その膨大な知識と的確な判断力は、六百年生きてきた私でさえ助けられる事もある。
『長老』の名は伊達ではないのだ。
「フム…成程、百禍か…」
応接間の天井付近に渡したとまり木にとまったまま、長老は呟く。
「それほどまでに強力な怨念をまとった悪霊が、この街にいたとはの…今回ばかりは教会の連中の仕事ぶりを誉めてやらねばならんの」
確かに。
クリス達異端者殲滅専門職の危機管理には脱帽するしかない。
「で…メグ」
長老は私を見た。
「どうするつもりじゃ?クリスからの依頼を受けても、お前には大した旨味はあるまい…依頼をこなしたとて、本当にエクソシストの連中が見逃してくれるとは限らん」
「……」
ソファに座ったまま、私は黙っていた。
普段は不真面目な態度が目に付くものの、こういう時私の一番の相談相手になってくれるのは長老だ。
先代デッドゲイト家当主の使い魔も務めた梟。
その膨大な知識と的確な判断力は、六百年生きてきた私でさえ助けられる事もある。
『長老』の名は伊達ではないのだ。
「フム…成程、百禍か…」
応接間の天井付近に渡したとまり木にとまったまま、長老は呟く。
「それほどまでに強力な怨念をまとった悪霊が、この街にいたとはの…今回ばかりは教会の連中の仕事ぶりを誉めてやらねばならんの」
確かに。
クリス達異端者殲滅専門職の危機管理には脱帽するしかない。
「で…メグ」
長老は私を見た。
「どうするつもりじゃ?クリスからの依頼を受けても、お前には大した旨味はあるまい…依頼をこなしたとて、本当にエクソシストの連中が見逃してくれるとは限らん」
「……」
ソファに座ったまま、私は黙っていた。