魔女の瞳Ⅲ
翌日。

四門邸の呼び鈴が鳴る。

私が玄関まで出迎えると。

「お久し振りです、メグさん!」

美しい黒髪、柔和な笑顔を称えた、優しげな女性がそこに立っていた。

天羽桜花。

デッドゲイトの分家、天羽家の魔女だ。

現在大学生として人間社会に溶け込みつつ、魔女の修行を続けている。

まだまだ新米の魔女である。

「よく来てくれたわね、桜花。子供の頃以来ね。綺麗になったじゃない」

久し振りの再会。

私も思わず顔をほころばせる。

「やだ、綺麗だなんて、そんな事ないですよぅ」

照れながらも、桜花も満更ではなさそうだった。

「で…」

私は桜花の背後をチラリと見る。

「彼が、そう?」

「はい」

桜花は自分の後ろに立つ、長身痩躯の青年の肩をポンと叩いた。

「人狼のジルコーです」


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