魔女の瞳Ⅲ
「で、プランとしては」

私は肩にかかった髪を片手で払う。

「桜花とジルコーに、周防時貞の足止めをしてもらうわ。多分奴が百禍の所に行くまでの道中で邪魔をする筈だから。その間に私が百禍の所に向かう。貴方達二人は、時貞の始末が出来てから、私の所に合流してちょうだい」

「え、でも…」

桜花が不安そうな顔をする。

言いたい事はわかっている。

私一人で百禍の相手が出来るのかどうかという事だろう。

「侮ってもらっちゃ困るわ…」

私は不敵に笑った。

稀代の魔女、メグ・デッドゲイトの実力は今も錆付いていないと自負している。

相手が『限定』の魔術の制約を伴う人間ならともかく、人外ならば一対一(サシ)の勝負で後れを取る筈がない。

何せ私は竜をも仕留めた魔女なのだ。


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