魔女の瞳Ⅲ
クリスは改めて私達に視線を送る。

「作戦は先日説明したとおりだ。僕を含むここにいるエクソシスト全員で、この山全域に防音、対衝撃、認識阻害の広域結界を張る。その間にお前達は御影城跡に向かい、百禍を殲滅…最悪でも封印してくれ。失敗すれば百禍は相当量の怨念を周囲に撒き散らし、大量の魔物がそれに呼び寄せられる事になってしまうだろう」

「……」

クリスの説明に、桜花が神妙な表情を見せた。

少し心配だ。

彼女はプレッシャーに弱い所があるから…。

「で…」

クリスは続けて言う。

「御影城跡に向かうのは、お前達『四人』でいいのだな?」

「は?」

私は思わず訊き返す。

こいつは何を言っているのだろう。

ここにいるのはどう見たって…。

「ああ、四人だ」

突然。

背後から聞き覚えのある声が聞こえた。

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