魔女の瞳Ⅲ
ここまでだった。

もうこれ以上の問答は無意味だ。

「修内太、覚悟を決めて。話し合いが通じる相手じゃないわ」

私の言葉に、修内太は悔しげに唇を噛んだ。

…作戦は、ここで桜花とジルコーに時貞の足止めをしてもらう事になっている。

だが。

「メグさん」

頬に汗を伝わらせながら桜花が呟く。

「ええ」

私も時貞から目を離さないまま頷いた。

…無理だ。

目の前の時貞を、桜花とジルコーの二人だけで足止めする事は不可能だった。

というより、彼の横をすり抜けようとした瞬間、あの巨大な刀剣で両断されてしまうだろう。

あの刀剣の届く間合いは、全て時貞の『剣の結界』。

その殺傷圏内に入った瞬間、刀の錆となる。

「…満更阿呆ではないようだな」

時貞が構えたまま言った。

「我が間合いに入った者は、何者だろうと断ち斬る。我が攻城刀に斬れぬものはない」


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