魔女の瞳Ⅲ
その場にいた誰もが目を見張った。

ジルコーのあのスピードを、捉える事が出来る者がいるの!?

当然攻撃を止められた事で、ジルコー自身の足も止まる。

そこへ。

「殺(と)った!」

刃を返した時貞が、大きく攻城刀を振り上げる!

ジルコーは逃げられない!

しかし。

「やめろぉっ!」

誰よりも速い反応で。

修内太が矢の魔術を連発した!

時貞の真正面から襲い掛かる矢の弾幕。

「ちぃっ」

時貞はジルコーへのとどめを断念し、攻城刀をひと薙ぎして矢を払い除けた。

あれ程の無数の矢をひと薙ぎで。

それだけでも瞠目に値する。

だが、こちらとて驚いてばかりではない。

「     っ」

「     !」

私と桜花が同時に行使したのは『凍土』の魔術。

大地を凍らせる氷の波だ。

ビキビキと音を立て、凍結しながら時貞に迫る氷の波。

彼はそれを。

「小賢しいっっ!」

攻城刀の一振りで粉砕した!!


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