魔女の瞳Ⅲ
それでも目をそらさず、時貞さんと睨み合う私の前に。
「そこまでだ」
ジルコーが立ちはだかりました。
「よぉサムライ、このお嬢ちゃんは俺の獲物でな…生憎とおめぇに殺させる訳にはいかねぇんだ」
「…ならば」
時貞さんが攻城刀を大きく構えました。
「貴様から地獄に逝ってみるか、畜生」
「ほぅ…?」
ジルコーの背中から感じる気配が変わりました。
私と初めて遭遇した時の、あのピリピリするような気配。
密林で飢えた猛獣とバッタリ出くわしてしまった時のような、絶望的なまでの気配。
「畜生…そう言ったな、サムライ」
ジルコーは前傾姿勢で、身を低くして構えました。
「よし…地獄へはお前が逝け」
その身から、息も詰まるほどの殺気が立ち昇ります。
…彼の側で動けば死ぬ。
確実に殺される。
味方である私でさえ、そんな感情を抱かずにはいられないほどの殺気。
ジルコーは、怒っていました。
そもそも人狼とは誇り高い種族です。
自らの血統に誇りを持っています。
それを時貞さんは、『畜生』と愚弄しました。
ジルコーにしてみれば、殺すに十分な理由なのかもしれません。
「そこまでだ」
ジルコーが立ちはだかりました。
「よぉサムライ、このお嬢ちゃんは俺の獲物でな…生憎とおめぇに殺させる訳にはいかねぇんだ」
「…ならば」
時貞さんが攻城刀を大きく構えました。
「貴様から地獄に逝ってみるか、畜生」
「ほぅ…?」
ジルコーの背中から感じる気配が変わりました。
私と初めて遭遇した時の、あのピリピリするような気配。
密林で飢えた猛獣とバッタリ出くわしてしまった時のような、絶望的なまでの気配。
「畜生…そう言ったな、サムライ」
ジルコーは前傾姿勢で、身を低くして構えました。
「よし…地獄へはお前が逝け」
その身から、息も詰まるほどの殺気が立ち昇ります。
…彼の側で動けば死ぬ。
確実に殺される。
味方である私でさえ、そんな感情を抱かずにはいられないほどの殺気。
ジルコーは、怒っていました。
そもそも人狼とは誇り高い種族です。
自らの血統に誇りを持っています。
それを時貞さんは、『畜生』と愚弄しました。
ジルコーにしてみれば、殺すに十分な理由なのかもしれません。