魔女の瞳Ⅲ
このままでも百禍は、その怨念によって魔性を呼び寄せ続ける。

そして万が一目覚めた時は…人間に仇なす魔性が、この街にどれほど集まってくる事になるのか。

「…手早くやってしまいましょうか」

私は風の魔術で、自らの右手首に傷を付けた。

流れ落ちる赤い血。

その血液で、城跡に魔方陣を描く。

召喚魔法の時に使うのとは違う、『封印』の為の魔方陣。

これは保険だ。

まずこの魔方陣で百禍の力を抑え込んでおく。

その上で百禍を倒す。

できれば百禍が目覚めないうちに、片をつけておきたいところだった。

しかし。












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