魔女の瞳Ⅲ
とはいっても、禁呪を使った後は私もかなり消耗している。

魔力の方は勿論、鍵穴であるデッドゲイトの紋章を貫いた為、胸の傷も痛むのだ。

「……」

一人で山道を降りるのは正直きつい。

癪に障るけど。

「修内太」

「わかってるって」

彼は私の目の前にしゃがんだ。

「ん、乗れ」

「……」

…何だかこう…恥ずかしい。

以前もおんぶしてもらったけど、今回はそれに輪をかけて恥ずかしい。

何よ、私一人だけ修内太の事意識してるみたいじゃない!

私は修内太の背中に体を預けた後。

「えい!このっ!」

意味もなく彼の頭をはたいてみたりした。

「いててっ!何だよメグ!」

「うるさいっ!いいからキリキリ歩け!」

コイツったら、何でこう鈍くて余計なお節介ばっかり焼いてぶっきらぼうで…。

「……」

こんなに背中が広くて、頼りになるんだろう…。

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