“カレ”と私の恋模様


そんなたわいのない会話しているとバンッと勢いよくドアが開いた。


ドアにいる黒髪の男。


皆より着崩した制服。


…目が合った。


「……ああー!!!」


教室でその男を指差して叫んだ。


「…あ、特待生じゃん」


「何であの時の男がここにいんの!?」


入ってきた男は春休みにこの高校で抗議しに行った時に“特待生にしてやる”とか言ったヤツだ。


「生徒だからに決まってんだろ」


「いやそうだけどだけど先生じゃないの?」


私がそう言うと男は笑い出した。


「見た目的に先生じゃないだろ。

気づいてたと思った」


「そ、そりゃあ見た目は先生にしては若い人だなぁとは思ったけどまさか抗議した相手が生徒なんて思わないし!」


童顔の先生もいるかもしれないし。


よく見ると男は美形だった。


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