“カレ”と私の恋模様


まつ毛が長くて瞳はうるんでいる。


高い背は大人っぽい。


爽やかな顔。


「先生と同じ扱いなのは


──俺が“キング”だからだよ、みぃ」


コイツがダイヤの“キング”!?


それより何で私のこと…。


「何で今来たばっかりの“キング”が私のあだ名を知ってるの」


本名はみぃじゃないから知らない人にはあだ名は分からないだろう。


「忘れちゃったのかよみぃは。

淋しいね」


全然淋しそうに見えませんけど?


…むしろ楽しそう。


忘れたってことは私の知ってる人って事だよね。


しかも“みぃ”なんて呼ぶのは…。


「…榎本?」


中学で離れた幼なじみの榎本和樹。


親同士が仲良くて必然的に一緒にいた私の初恋の人。


中学が離れて音信不通だったけど。


本当に彼なのか?


名前を呼ばれたことが嬉しかったのか笑顔だ。


「もう忘れんなよ」


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