“カレ”と私の恋模様
爽やかに笑うと榎本は自分の席に行った。
一番窓側の一番後ろ。
結構遠い席だ。
まさか榎本が“キング”になってるなんて。
忘れていたはずの想いが甦る。
小学生ながらも一応私達は付き合っていた時期があった、別れたけれど。
もちろん中学の時にも好きな人はいたが榎本が嫌いで別れたわけではなく受験が原因で別れたから体が反応してしまう。
まぁ榎本は昔からモテてたから彼女なんてたくさんいただろうけどね。
「…榎本」
眉間にしわをよせながら呟く美弥奈。
榎本となんかあったのだろうか。
「美弥奈どうかした?」
「……小学校の時もイケメンだったけど高校生になってもっとかっこよくなった」
良いことを言ってるはずなのにイマイチ嬉しそうに聞こえないのは私の気のせいなのか?
「ね、かっこよくなったよね」