“カレ”と私の恋模様
───春休み中
「認めない!」
大きな声を張り上げて目の前にいる男に言う。
男は一目私を見ると手元にある書類に目を通す。
「つまり“なんで自分がこの『都嵐風学園』に入らなきゃいけないんだ”つってんだろ?」
「そう何回も言ってんでしょ!?」
キレ気味に男の机をバンッと叩くと男は「ふーん」と関心がないと言わんばかりの声出す。
「どんなに頭が良いって言っても証拠になるのが成績だしなぁ」
それを言われると痛い。
「この内申だったらオレの学校もきつかっただろ」
あなたは何様?俺様?
自分とたいして変わらないぐらいの少年みたいな顔の目の前にいる男の顔を怪訝そうに見た。
「じゃあしょうがねぇ。
お前を特待生として迎えてやるよ」
「ありがとうございます」
純粋にその言葉をうのみにし、入学式で実際の現状を見ると開いた口が塞がらなかった。