男の秘密 -繋がる未来-
「え・・ふっ。こんな事で見惚れてくれるなら、たまには料理もしようかな」

「ダメ!私の料理を美味しそうに食べてくれる顔も好きだから!」

その言葉にお互いの顔が赤くなった。

忍が赤くなるところを見るのが珍しい優は、驚いてマジマジと忍の顔を見てしまった。

その行動に、自分が赤くなっている事を悟り、フイっと横を向いてしまう。

「ほら、チャーハンで来たから、皿を出して」

直ぐに何時もの顔に戻って優に指示を出す忍に、少し残念な気もしたが、たまに見るのが良いのだと思い直し、皿を用意し始める。

忍もスープに最後の仕上げとして、卵を入れてとき卵にしていた。

『忍さんって、何でも出来るのね』

レタスをちぎって下に引いて、その上にチャーハンを乗せていく姿を見ながら、少し寂しい気分になった。

自分だけが出来て、頼られたいと思うのは、我侭なのだと分かっている。

ふぅとため息をついて、気持ちを切り替えて、出来上がった皿を運ぶ事にした。
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