男の秘密 -繋がる未来-
料理が並んだテーブルで二人揃って食べ始めてると、忍の作った料理は、チャーハンもスープも思った通り、美味しかった。

昨日で食欲も戻った優は、自分の皿のチャーハンをペロリと平らげ、スープも飲み干した。

忍が作ったというスパイスも、ふんだんに効いているのだろう。

そして、美味しそうに食べる優を、嬉しそうに眺めている忍と何度も目が合い、少し気恥ずかしくなった。

取り繕うように、お茶を飲んで、気持ちを落ち着かせながら考える。

これなら明日から、仕事が出来そうだと思えて、嬉しくなった。





「今日はこれからどうする?何処かに出かけるか?」

片付けも済んでソファーに二人並んで腰掛ていると、忍がそう聞いてきた。

滅多に無い忍の休日なので、体を休めて欲しいと思った時、昨日の忍の様子を思い出した。

人の多い所では、周りに気を使ってリラックス出来ないのではないかと。

「家でゆっくりしようかな」

「え?家でいいの?」

「うん。久しぶりに一日ゆっくり家で過ごすのもいいかなって」

そっと忍にもたれ掛かり、目を閉じた。

「やっぱり出かけよう」

そう言って忍が立ち上がるので、優は驚いた。

「しのぶ・・・さん?」

「昨日のデート楽しかったし、今日は電車で出かけよう」

優の方を見ないで寝室に行ってしまった忍の態度が気になったが、出かける事になったので、優も着替える為に自室に戻った。
< 104 / 178 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop