男の秘密　－繋がる未来－
『ずっと一緒に居てって言ってるのと変らないのよね』

「それなら必要ないか」

機嫌のいい笑みでこちらを見ている忍に、本当の事は言えなかった。





目的のペットショップは本当に大きかった。

ペット用品や餌等のコーナーもあったが、ドッグランや猫カフェ等もあって、購入しない人でも楽しめるようになっていた。

ペットショップの入り口と、用品の入り口は別になっていて、ペットショップの入り口を入ると直ぐに、白い大型のオウムのキバタンが出迎えてくれた。

「イラッシャイマセ」

止まり木に止まっているキバタンに話しかけられ、驚いてそちらをみると、陽気に体を揺すって踊っていた。

進んでいくと、リスやモモンガ等、一般の人が知っている動物から、トビネズミやヤマネ等のねずみ目、コモンマーモセットや、リスザル等の霊長目、入り口で出迎えてくれた、キバタンやルリコンゴウインコ、オカメインコや文鳥等の鳥類の中には、フンボルトペンギン等も居た。

「忍さん？」

急に髪を引っ張られて驚いて振返ったら、リスザルに髪を掴まれていた。

「すみません。悪戯好きなんです。この子」

申し訳なさそうに、ペットショップの店員がそっと、リスザルの手から優の髪を離してくれた。

「いえ、ちょっとビックリしただけです」

店員の腕に巻きついてこちらを見ている姿は、とても愛らしくて、つい優の頬も緩んだ。

店内をゆっくりと歩いていき、間近で動物を見ていると、動物園とは違った楽しさがあった。

爬虫類コーナーは少し足早に通り過ぎたが、結構な時間が経っていた。

「休憩しようか」
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