男の秘密 -繋がる未来-
「・・・」

寝室で目覚めた時は、昼前で、気だるさが残っていた。

始めの頃は、歩けない程だったが、体がなれたのか、ヨロヨロとではあるが、起き出すことが出来るようになった。

何時もは優の体のことを考えて、こんな風になるまで抱かれる事はないのだが、昨日は何時もと違っていた。

『怒らせた?それとも・・・』

忍の機嫌が悪い事も考えられるが、多分忍はそんな事はしないだろうと思えた。

それよりは、昨日も家族の話をされるかもと思い、はぐらかしたのではないか。

「踏み込むべきじゃないの?」



リビングに入ると、以前美味しいと言っていた、パン屋のサンドイッチが用意されていて、その横にメモ書きがあった。

---- 無理をさせてすまなかった。朝食を買ってきたので、食べられる時に食べて。

「無理をさせたとは思っているのね」

メモを見ながら、体がダルくてソファーに沈み込んだ。

食欲のないまま、また眠くなってソファーで眠ってしまい、気がつけば喉に痛みが出ていた。

『あぁ、転寝(うたたね)をしてしまったのね』

夕暮れで室内が薄暗くなっていたので、ソファーから立ち上がり、カーテンを閉める為に窓に向おうとするが、
体の異変に気付いた。
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