男の秘密 -繋がる未来-
喉の痛みだけでなく、体がふわふわしていて、熱があるようだ。

『風邪の引き始めかしら』

カーテンを閉めて、部屋を明るくして、夕食の準備を始めると、忍に買って貰っていたサンドイッチの存在は忘れていた。

結局何も食べないまま、夕食を作り終え、リビングに戻った時、サンドイッチの存在を思い出した。

『どうしよう・・・』

サンドイッチを見て朝から何も食べていない事に気付く。

このまま忍が帰ってきたら心配するので、急いで自室に持って行く。

何か、悪い事をしている気分になった。

部屋から戻ると、忍の声がしたので、玄関に向うと丁度こちらに歩いてくるところだった。

夕方から作り始めた夕食は、熱の所為か思いの他時間がかかってしまったようだ。

忍が着替えに行っている間にテーブルに料理を並べようとするが、動作が緩慢になってしまい、手際よく行かない。
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