男の秘密 -繋がる未来-
お昼を少し回った頃のメールだったが、直ぐに返信が来て、何時でも大丈夫と帰ってきた。

多忙な羽奈だから、何時でも大丈夫なわけは無いと思ったが、気を使わないようにとの配慮が嬉しかった。

何時ものように、金曜の夜から羽奈のうちに泊めてもらって、久しぶりにうち飲みがしたくなった。

急だが、その旨を書いて最後に、忍さんに確認をとってから、再度連絡すると付け加えた。

この前のお礼も出来ていない事に気付き、何かお礼をしなければと慌てだす。

『どうしよう。お酒・・でも羽奈の方が珍しいお酒持ってるし・・・
おつまみ作る位じゃぁダメよね。 また、かりんとうじゃぁ芸が無いし・・・』

もうこうなると、仕事所ではなくなった。

グルグル考えても仕方ないと、諦めて取り合えず定番の豆乳かりんとうの材料を買いに行き、その他にもウケの良かったお菓子を思い出し、材料を買い込む。

そのお陰で、3時間おきの定期連絡は、こちらから連絡を入れる事が出来た。

夕飯とお菓子作りが同時進行になってクルクルとキッチンを忙しく動き回っていた。

『あぁこれじゃぁ何も思い浮かばない』

お菓子の山が築かれて行くだけのキッチンは甘い匂いと、スパイシーな匂いとが混ざって大変な事になっている。
換気扇を回した位では追いつかないのが現状だ。

「ただいま、どうしたんだ?これ?」

テーブルの上に所狭しと置かれている焼き菓子を見て忍が驚いている。
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