男の秘密　－繋がる未来－
カバンの中には４つのブレスレットが可愛らしく梱包されて、出番を待っている。

それをチラリと見て、嬉しそうにしていると、美由紀が声をかけてきた。

「凄く幸せそうね」

こげ茶色の髪を緩くウェーブさせて胸元まで垂らし、大きな目に、長い睫毛が印象的な、可愛らしい女性だった。

年寄り若く見られると言っていただけあって年齢を聞いて驚いた。

「はい。今一番幸せかも知れません」

「そっか。でも、まだまだ一番の幸せは先かもしれないから」

頼んだパスタを食べながら笑う姿は、自分と変らなく見える。

「どうして・・そう思うんですか？」

「逆に聞くけど、今がどうして一番幸せなの？
　それって、今までと比べて今がって事でしょ？じゃぁ今と比べて明日が更に幸せかもしれない。
　結局死ぬ間際にならないと何処が一番幸せだったか、不幸せだったかは分からないって事じゃない？」

そう言われてみれば確かにそうだ。

優は今までの自分と、今の自分を比べただけで、未来はどうなっているのか分からない。

「確かにそうかも・・」
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