男の秘密 －繋がる未来－

忍の静かな声に顔を見ると感情の見えない顔をしていた。

「忍さん！？」

「やっぱり無理だったんだ」

ため息をついてポツリと呟く忍に思わず叫んでいた。

「無理じゃない！まだ話もしていないじゃない！」

こんなに声を荒げた事が無い優に驚く忍を気に留めずに、浩務の方を向いて話し出す。

「お父さん！　わ、私の両親は、私が小学校の頃他界しました。」

優の言葉に浩務が言葉を失う。

「伝えたい事はもう、伝える事は出来ません。でも、お父さんも、忍さんも生きてます！
生きているなら話すことが出来ます！誤解を解くことも出来ます！
・・・だから！　おね・・がい・します。　はなし・・をして・・・」

感情が高ぶり、泣いてしまい、言葉が上手く出てこない優の肩を抱きしめると、忍の腕の中で声を殺して泣いてしまった。