男の秘密　－繋がる未来－
「ちゃんと話し合えるかな」

先頭を歩く美穂が、ストレートの少し茶色がかった長めの髪を揺らしながら振返った。

先ほどはゆっくり見られなかったが、美穂も美人だった。

背も自分より少し高く、健康的な肉付きをしている。

『斎賀家ってみんな美男美女家系なのかしら・・・』

父親の浩務は忍の年をとった姿で、ロマンスグレーのおじ様という感じだった。

『忍さんもあんな風になるのかしら』

「さん、優さん？」

呼ばれている事に中々気付かない程自分の世界に入っていた事が恥ずかしくなった。

「兄貴とどうやって知り合ったの？」

「え！？」

唐突な質問に驚いて声を上げてしまったが、直ぐにこの話二人にするべきなのだろうかと考え込む。

「何？言えない様な知り合い方？」

美穂は完全に面白がって、聞いてくるが、優は言うかどうか迷っていると、助け舟が来た。

「こんにちは。隆司の妻のさやかです。立ち話もなんですから、良かったらうちでお茶でもしませんか？」

店から直ぐの所に二人の家があると言うのでお邪魔する事になった。
< 162 / 178 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop