男の秘密 -繋がる未来-
天気がいいからと、庭にあるテーブルを囲んでお茶を飲む。

美味しいお茶とお菓子の話で盛り上がった後、忍たちの話題になった。

「お父さんね、兄貴の出てるドラマ、見ないって言いながら、録画してこっそり見てるのよね」

「そうそう、雑誌で特集されてると、その雑誌買ってきて、そのページだけ切り取ってファイルにしてるわ」

「忍君は、お家の手入れを業者に任せるだけじゃなくて、自分でもやってるって言ってた」

みんな楽しそうに忍たちの話をしているが、知り合って間もない優は蚊帳の外のようだった。

「ねぇ、優さん。あの子家ではどんな感じなの?」

「え?どんな・・って普通です」

「ほら、風呂上りにパンいちとか、服は脱ぎ散らかすとか、何か無いの?」

「ええぇ!ぃや、脱ぎ散らかしたりしません。え、とパンいちって何ですか?」

「デレたりしないの忍君?」

「デレたり?」

自分の分からない単語が出てきて、何をどう答えていいやら分からなくなって困ってしまう。

「あの、私、忍さん以外の人と付き合った事がないので、実は何が普通かも良くわからなくて・・・」

「えぇぇ!そうなの?!兄貴嬉しいだろうなぁ」

『そんなものなのかしら?確かに、何をするのも初めてだって言った時の忍さんの顔は、物凄く嬉しそうだったけど』

「兄貴でいいの?一途過ぎて重くない?束縛されてそう」

「え、と、束縛されてるか分からないですけど、とても、優しいですし、いやな事はされてません」

「大事にされてるのね。なんか羨ましいわ。隆司なんて最近適当なんだから」

「ちょっと!適当って酷くない?」
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