男の秘密　－繋がる未来－
後ろから声が聞こえて、さやかが驚いて振返ると、隆司の姿があり、その後ろに忍と浩務の姿もあった。

「隆司！　もういいの？」

さやかが立ち上がりながら聞くと隆司が頷いた。

「という訳で、これからが食事会本番！手伝えよ！さやか！」

嬉しそうな顔で言われたので、さやかも笑顔で返事をして、店の方に向った。

それに続くようにみんなも店に向うその道中、忍の顔を見るとと、スッキリした顔をしていた。

肩の荷が下りたようでホッとしていて、強張っていた顔にも笑顔が戻る。

その顔を見ていると、忍が微笑みながらそっと手を握るので、優は幸せな気持ちになった。




食事会は隆司と美穂のお陰で盛り上がったので、まだ、何処かぎこちない忍と浩務が居心地悪くならずに済んだ。

その様子を見て、優と真希もお互いに微笑みあって、喜んだ。

「おとうさん、凄く機嫌よかったわね」

飲みすぎて寝てしまった浩務にブランケットをかけてから、みんなは別の席に移った。

忍も珍しく酒を飲んだので、ほんのり赤くなっていた。

「母さん。さっき結婚の話をしたけど、俺たち、結婚後に日本を離れるんだ」

「そうなの？」

事情を知っている優以外、驚き目を丸くした。
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