男の秘密 -繋がる未来-
緊張しながら始めて自宅の門をくぐる。

二回目の対面をした優だが、浩務も真希も暖かく迎えてくれた。

居間に行くと、部屋がクリスマス用に華やかに飾り付けられ、テーブルにはクリスマスツリーと美味しそうな料理が並んでいた。

「この家に引っ越してからバタバタしてて、忍たちを呼べなかったから、クリスマスに便乗しちゃった」

明るく笑いながら真希がそう言ったが、優の仕事の区切りが付くまで待っていたのだと優は思った。

だが、それを口にすると折角の好意が台無しになるのでやめた。

「美味しそうだな・・・これって」

並んでいるを一通り見た忍が驚いたように呟いた。

並んでいる料理は、から揚げ等もあるが、煮物や茶碗蒸しがあった。

「あら?気付いた?
貴方の好きだった料理を作ってみたの。美穂は遅くなるそうだから、先に食べちゃいましょう!」

そう言ってお味噌汁や炊き込みご飯を用意してくれるが、忍はまだその光景に立ち尽くしていた。

「何時までも突っ立ってないで座ったらどうだ」

浩務の声に我に返った忍が優と一緒に座った。

『これが、忍さんの好きな料理なのね』

並べられた料理を見渡してから忍の顔を見ると、少し照れたように笑った。
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