男の秘密 -繋がる未来-
部長に辞める事を伝えたら、今度は同期会のメンバーにも伝えなければならない。

『結婚の事伝えないと駄目かな』

結婚することを伝えるという事は、忍の事を話す事になる。

『相手が誰かは言わなくて良いかな。でも、招待状でバレてしまうわね』

部長に辞表を出してから、同期のメンバーにどう伝えたらいいか、悩んでいたので、休憩スペースで少し考えようと足を運んでいた。

「よう、どうした。浮かない顔して。彼氏と上手くいってないのか?」

背中をパチンと叩かれて、驚いて振り返ると加藤が居た。

加藤は何時見ても元気だ。

この元気さが、先輩にも後輩にもとても慕われる要因なんだろうなぁ、と優は思った。

「そ、そんな事無いわ」

慌てて両手を振って、否定するが、冗談だったらしく、慌てる優の反応にゲラゲラと笑っていた。

「加藤君。今度の同期会って今日よね?」

「ん?あぁそうだけど。どうした?」

「え、ちょっと聞いてみただけ」

同期会の席で発表すると、色々聞かれそうだと思い、同期会後にメールでみんなに伝えようかと思った。

『でも、その前に辞める事を伝えないと駄目か』

「なんだ?悩みなら聞いてやるぜ」

屈託無く笑う加藤を見ていると、話してしまおうかと思った。
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