男の秘密　－繋がる未来－
昼休みに社食に行くと本社組みの同期会のメンバーが、全員集まっていた。

中々昼食が一緒にならない羽奈は今日も、会食の際の通訳として出かけている。

緊張しつつ、みんなを見渡し、話し出した。

「あの、急なんだけど、私、会社を辞める事になったの」

「ええ！」

みんなが驚いて大きな声をあげるので、他の社員がこちらをジロジロ見た。

「どういうこと？」

「何で？」

等と口々に言い出すので、誰に答えて良いのか分からなくなって、黙り込んでしまう。

「いっぺんに言っても答えられないって」

吉田が苦笑しながらそう言うと、みんなが黙ってくれた。

「実は、私、結婚する事になって、それで・・彼について行くことにしたの」

「えぇ。田村と同じパターンか」

「でも、斉藤さん、こないだ彼氏出来たんだよね。スピード婚？」

「ホントだ！凄い」

みんなが驚いている中、まじめな顔の加藤が目につき、加藤を見る。
< 30 / 178 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop