男の秘密 -繋がる未来-
『あぁ、一体何時写せば良いかしら』
撮影を半ば強引に引き受けさせられてから、もう3日も経っている。
そろそろ何か言われるのではと、気が気ではなかったが、まだ一枚も撮影出来ていなかった。
今日は久しぶりに忍が午後からオフだったので、忍の車でドライブに出かける。
黒塗りのボディにフルスモークの車体は、人目を避ける為にしている事だと分かって、ホッとした事を思い出して笑っていると、忍が不思議そうな顔でこちらを見ていた。
「ごめんなさい。以前、忍さんの職業が分からなかった時、この車を見て、勘違いしそうになった事があったの。
その後も、木戸さんが同じような感じの車で迎えに来てて、しかも木戸さんちょっと強面(こわもて)でしょ
だから、ドキドキした事を思い出して」
「確かに・・・木戸さんがあの車に乗ってると、よく職務質問されてるよ」
「えぇ!本当?」
「だから、最近は白のワンボックスにしたんだけど、結局フルスモークだから怪しく見えるらしくて、前とあまり変らずに職務質問されてるみたいだ」
「忍さんは、職務質問されないの?」