男の秘密　－繋がる未来－
自宅にて
「忍さん降ろして！」

「ダメだ。心配させたお仕置きだって言っただろ」

そんな押し問答を続けながら、お姫様抱っこをされて、退院した優は家でも大変だった。

「当分定期連絡を入れないと絵は描かせない」

「え！？そんな・・・」

あれだけ心配させたのだから無理は無いかもしれないが、定期連絡を３時間おきにすると言うのは、優にとってはハードルが高かった。

１度描き始めると、寝食を忘れるほど没頭してしまう。

何とか頑張って、キリのいい所まではやりたいからその後での連絡ではダメかと交渉するが、認めて貰えない。

「三時間に一度だ。一時間おきじゃないんだから大丈夫だろ？」

「でも、忍さん仕事でしょ」

「木戸さんに携帯に出て貰うから大丈夫だ」

この状況を招いたのは自分だから仕方がないのだが、本当に連絡できるか不安だった。

「大丈夫だ。連絡が無かった時はこっちから連絡する」

「はい。頑張ります」

いつの間にか、敬語になっている事にも気付かない優の頭をポンポンと掌であやす様に叩く忍に、ようやくホッとしたようだ。
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