男の秘密 -繋がる未来-
「え、と・・や、そう!遠いところ良く来てくれたね。今日は快気祝いだって聞いてるからどうぞ」

取り繕うようにヘラリと笑いながら、隆司が店内に招き入れる。

忍に支えられて店内の一番奥、忍の指定席に案内され、優は角の席に座らされ、その横に忍が座った。

この頃には、優も頭がはっきりとして、先ほどの抱っこが恥ずかしくなってきた。

テーブルには豪華な料理が並べられている中、優の席には卵粥が置いてあった。

『快気祝い?』

自分の事だと気付くのに、少し時間がかかったが、病み上がりなのだと自覚した。

「さぁ、優の回復を祝って・・」

「ちょっと待て」

隆司が乾杯の音頭を取ろうとした時、忍が遮ったので、掲げたままの状態でみんなの動きが止まった。

「今回、優の快気祝いがメインだが、報告もあるんだ。
 俺たち結婚する事にした」

「「!?」」

鈴木夫妻は大いに驚いた後、満面の笑みになり、大騒ぎになった。
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