男の秘密　－繋がる未来－
気を取り直して、乾杯をした後、やっと落ち着いて食べ始めたが、終始結婚に対しての質問だった。

「やっと、お前も結婚か」

開始からかなり経ってから、しみじみと隆司がビールを飲みながら呟いた。

「あぁ、俺にも、大切な人が出来たよ」

そう言って、もたれ掛かって眠ってしまった優を優しい眼差しで見つめる。

会話は弾んだが、お腹が良くなると眠くなってしまい、一時間程経った辺りで眠り込んだ。

直ぐにさやかがひざ掛けをかけてくれてそのまま眠っている。

「良かったね忍君」

眠っている優を見ながらさやかも嬉しそうに話す。

隆司から忍の事を色々聞かされていたせいで、心配していたのだ。

「あぁ、諦めていたんだけどな」

「俺はこんな日が来ると思ってたよ。お前ならきっといい人が見つかるって」

「隆司」

「私は願ってた。いい人が現れますようにって！」

「さやか」

泣くのを堪える様に顔を歪ませ俯く忍に二人は優しい笑顔を向けていた。
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