男の秘密　－繋がる未来－
俳優を目指した事を後悔した事は無かったが、人気が出始めると、見たことも無い友人が増えたり、金を貸してくれという人が増えたり、誹謗中傷、ネットへの私生活の書き込み等が増えた。

親しかった友人が離れていったり、態度が変ったりする中、隆司だけは以前と変らず接してくれた。

仕事をしていくうちに、仲良くなった人もいるが、昔からの友人は隆司だけだった。

色んな感情が渦巻くのを必死に落ち着かせていると、隆司が冷やかすように話し出した。

「しかしまぁ天下の斎賀忍を知らない子が居るなんてな。天然記念物並みに凄い話だ」

「それは思うわ。奇跡よね」

「それは、言い過ぎだろ。ただ、出会う確立はかなり低いだろうけど」

隆司はひやかしだと分かるので無視したが、さやかは本気で目をキラキラさせて興奮気味に言うので、恥ずかしくなった。

「そうよね！やっぱり運命よ！」

「女ってすぐ、運命だ！って言うけど、そんな簡単に運命の出会いなんて無いって！」

「ちょっと！私にプロポーズした時、お前との出会いは運命だ！なんて言ったの誰？」

「いやぁ。誰だろうな・・イテッ！」

二人の掛け合いに忍もつい笑ってしまった。
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