男の秘密 -繋がる未来-
自宅に戻り、作ってもらった惣菜を温めなおして二人で食べる。

湯葉の吸い物や茶碗蒸しなど、口当たりの良いものが多く入っていた。

「美味しかった。食べ過ぎたわ」

関西風の味付けは、どれも祖母を思い出し懐かしくて美味しかった。

お陰で食欲も沸いてきて、久しぶりにおなか一杯食べる事が出来た。

後片付けをしようと立ち上がりかけると、忍に手を引かれたので、バランスを崩して忍の胸に倒れこんだ。

「ご、ごめんなさい」

「いや、俺が引いたんだから。それより、後片付けは俺がするから、優はゆっくりしていろ」

そう言って、ソファーに優を座らせ、自分が後片付けを始めるので、優が慌てた。

「そんな、忍さんにさせられないわ」

「優。 今朝優は何処にいた?」

「え、・・病院」

「病人はゆっくりしないとダメだ」

「でも・・」

「でもじゃない。もし、ソファーから立ち上がったら、お仕置きするから」

ニヤリと意地悪そうな笑み口元に浮かべる忍を見て、大人しくしておこうと思い、コクコクと頷いた。
忍は手際の良い片づけをしていた。

そんな忍を見ていると次第に瞼が重くなってきた。

『ダメ・・起きないと・・忍さん』
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